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man and boy

薬剤師で、東洋医学の探求をつづける癒しの達人が、ブックストアーで医学書を漁っている時、
暇を持て余してふらふらと洋書を眺めてたアタシの目にふと留まった一冊の本がありました。

tony parsons
man and boy
“I cried five times
and laughed out loud four”

James Brown, Observer


b0027290_1619561.jpg順風満帆の人生を送っていた男が30歳の誕生日を迎えるとき、つまりこれで完璧に大人っていうときに、やってはいけないこと・・・同僚と一夜を共にする。贅沢品を衝動買いしてしまう。妻に出ていかれる。失業する。突然シングル・ファザーになる。…それらすべてを、ハリーはやってのけてしまう。4歳の息子の世話をしながら、やっと真の父親になることを学んだとき、ハリーは自分自身の父親と、息子である自分との関係も、新たな目で見ることが出来るようになっていく。父と息子、息子と父。そして、女たち。現代社会に生きる私たちの心にせつなく迫る、とっておきの物語だ。



なんという偶然・・・アタシら親子の事かと思ってしまうほど似てる・・・
似すぎてる。


やってはいけないこと・・・同僚と一夜を共にする・・・これはない!
30歳よりずっと後の完璧な大人の時代ではあったが・・・原因はともかくとしても、アタシは妻と別れ当時10歳の息子とクレーマークレーマーの生活を選んだ。

しかし何といっても強烈に胸に迫り、アタシ自身の当時の苦悩を呼び起こした場面は、ジオラマみたいにアタシの心から離れなくなってしまった・・・父親のハリーが5才の息子に対し、父親と母親のどちらをとるのかと選択を迫り、パットがもうどう答えてよいのか分からずパニック状況に陥る場面である。

アタシはこれと同じことを息子にしたんだ!・・・当時息子は10歳だったが、考えてみれば5才の子供でも10歳の子供でも・・・これ以上残酷な話はない。

著者はその残酷さを充分承知の上で敢えて父親ハリーにその役割を演じさせているのだが、アタシも心の奥底では語るに語れない葛藤と信念があったことを今でも鮮烈に思い出す。

アタシは幸運にも・・・そう、幸運にも貧しいながら家族の絆に支えられ、両親の愛情を充分注がれながら育ってきた。 だが、今の世の中はどうだろう? なるほど物質的には格段に豊かになって欲しいものは何でも手にすることができる、できなければ、いつか手にしたいという欲求や欲望が無自覚に蔓延していく・・・
アタシにはそれがすさんだ時代にみえる。
こうした核家族化したすさんだ時代の子供達は豊かさの代償としていつでも親のエゴイズムに曝され、時代の荒波に翻弄される宿命をその小さな体に背負って生き続けなければならないのか。

One father is more than a hundred schoolmasters.

■息子に「どう生きるべきか?」を教えられるのは、父親ただ一人だ。 自分の歩んできた道を振り返り、何を失い、何を得てきたか、を余すことなく子供に伝えるのが、父親の役目なのだ。 そして、子供が自分を乗り越え、新たな一歩を踏み出した時初めて、父親の人生は完成する。

と、イギリス最大の教養人といわれたチェスターフィールドは書き残している。
(From: LETTERS TO HIS SON by Philip Chesterfield   邦題:わが息子よ、君はどう生きるか)


チェスターフィールドのような立派な親父にはなれないけれど、アタシはアタシなりのやり方で、誠実に生きて行くしかないことを頭ではなく、体で納得しながら生きていこうとモガイテいます。

息子は今年17歳になり、来年の今頃はイギリスへの巣立ちの頃でしょう。 親離れを心配しながら子離れの準備もしないとな~。
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アタシらの結末がどんなことになるかはともかくとして、このman and boyは、ドラマや映画にもなってますし、また、ビューティフル・ボーイという邦題で出版もされていますので、家族愛を考えている人、子供を持っている人には是非!読んで貰いたいな。

心の渇きを感じている人・・・潤ったひと時を味合わせてくれますよ。

読んでみて下さい。


どうせ金を使うなら、知識として身につくサムシングを子供には与えたいね! 自分を磨く投資なら、将来必ず生かせるもんね。
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<ソロバン>英語で挑戦:アメリカンスクールの小学生

そしてもうひとつ、共通のテーマを話題にしたこんな映画・・・
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はたして血は水より濃いのだろうか。「DV」によって崩壊した親子を通し痛切に問う。
妻子を守れない男は夫でも父でもない。 
息子はオレのコト、どう思ってるんだろうか。すぐに手前の保身を考えるサガが哀しい・・・
Dear Frankie from 東京無重力アワー

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by tetsuyak04 | 2005-05-25 16:09 | 映画・音楽・本のこと | Comments(2)
Commented by sansetu at 2005-05-26 10:48
私は23で離婚しました。女の子が一人いましたが、年上の相方が立派に育ててくれました。感謝しております。先日結婚しました。私と同じく高校ではラッパを吹き、母親からピアノを習い、ダンスを習い、へえ~っ、と思っていたら、医療関係の仕事につきました。そのあたり私とよく似ています。私が「オレはニョーモレだ」とメールを送ったら、「オムツ交換は得意分野です」とのレス来たり。
男に興味がないのかと思っていたら、電撃結婚しました(笑)。あまり、これといった付き合いはありませんが、23のあの日から、一日として、彼女のことを思わぬ日はありません。ま、それが当たり前だと思いますが。
息子さん、きっとエゲレスで成長してくれるでしょう。親子メールの始まりですよ。言葉には文章を超える力があると思いますが、同時に文章にだって言葉にはない力がありますよね。その分野において、今まで直接会話では話せなかったことが、いろいろ話せるかもしれませんね。
Commented by tetsuyak04 at 2005-05-27 18:34
アタシが故郷の親元を離れた18歳の頃を想い出しています。 思えば遠くへ来たもんだ~と、我が身と自分の意思で歩き始める歳になった息子と重ね合わせて、しみじみ人の一生を考えてみたりしています。
幼い歳に苦しい選択をさせた親父をどんな目で見ているのか気にもなりますが、考えてばかりいると日が暮れちゃうもんね!
今の時代、どこにいてもインターネットで繋がる便利な世の中ですが、拙い文字で綴られた親からの手紙には、深い思いと共に日々の匂いまで感じさせ、グッと込み上げるものがありますね。 不思議なチカラです。 
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